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重い・・・なんだか体が凄く重い。
もしかして体調が悪化したのでは?と不安になって目を覚ました昨日の朝だったが、よくよく見てみると、私の体の上に枕やらブランケット、クッションが山のように積まれている。これはいったい何の悪夢?!埋もれてるんですが。

「く、苦しい・・。」

窒息しそうになりながら、うげーと声を上げていると、とたんにベッドのマットレスがものすごく弾んだ。

「ブルン ブルン、ワタシ トラクター デス!」

はっと横を見ると、両手を体の側面にぴったりつけて、寝ながら「気を付け」の姿勢をとったゴードンがいた。しかも彼のお得意の物まね、「水揚げされた魚」のようにぴくぴくと動いている。

嫌な予感がした。

彼は、ブルン ブルンと言い続けながら、なにやらエナジーチャージをしているフリをしていたが、突然「アブナイヨー。ワタシ イキマス!」と叫ぶと、そのままごろごろとワタシのほうに突進してきた。

やめれ、頼むから。

そのまま無理やり私の上を乗り越え、(この時点でもう気を失いかけた。)当然突起があり乗り越えにくいものなので、何度も私という壁を超えようと、「ブルン ブルン」と必死で「私」にぶつかり、ようやくそれを越えて、ブランケットも枕も部屋中に散乱させた後、「ゴードン WIN!」(勝った)と誇らしげに両手を挙げた。

痛いです、痛いです!!

いったい何が起こったのだと涙目で聞くと、「富士山に登る練習」だという。

彼の中では、その計画は3年前から温められており、会う人すべてに「富士山に登りませんか!」と必死で勧誘するのだが、「嫌です。」とそっけなく断られているのだ。

なんとも一人で孤独な彼だが、トレーニングは続けているらしい。ただ、方向が完全に間違っている。

どうか早く仲間を見つけ、その人たちに特訓してもらえないだろうか。押し付けたいのである!

昔は朝起きると、ベッドサイドのテーブルに熱々のミルクティーが用意されていた。

「私の子猫ちゃん、起きる時間だよ。」

それが、今や、トラクターである。

私は、完全に、押しつぶされる、壁のひとつになっている。

ふつふつと怒りがこみ上げてきた。

体調も悪かったせいもあり、昨日は不貞寝を決め込んだ。読みたかったミステリーを読破すると決め、
パジャマも着替えず、ひたすら寝た。


私はブロックのように障害物の真似をするためにイギリスに来たんじゃないぞ!!

その抗議のつもりだった。




DSC05754.jpg

香ばしい匂いで目が覚めた。

ゴードンがクラッカーを焼いているとすぐに分かった。
のろのろ起きてキッチンに行くと、ハートやらツリーやお花やら、やたらメルヘンチックなビスケットが出来上がっていた。私が残しておいたゴルゴンゾーラチーズやら、ブリーやら、色々なチーズを混ぜてビスケットを作ったらしい。

しかし、セルフライジングというすでにベーキングパウダーが加えられた小麦粉を使ったので、ビスケットは心持膨らんでいた。何でいきなりこんなことに精を出したかは分からないが、素朴なその味は美味しかった。

「Mちゃん、私は まいにち にこにこ です。」

すまなさそうにそういうので、びっくりした。

「まいにち Mちゃん も にこにこ おねがいします。」

ちょっと泣けてしまった。何だろう、人ってこんなに綺麗で純粋に、生きられるものなんだな。

「酒!」

そう叫んで、ゴードンが作ってくれたビスケットと赤ワインを頂いた。

幸せは、大きく無くていい。大きいとか小さいとか、そもそもわけがわからない。
何かが胸にこみ上げた。

私は前の結婚で人を傷つけた。あんなに愛して、あんなに愛された人と別れることになった。
その償いは必ずどこかで、しなければいけない。
逃げては、避けては通れない。
悲劇的に浸っているのではなく、これは事実である。

自分が体調を崩し、うつになったり、ピアニストをも辞めて、
のろいたくなるようなこともあったが、胸に手を当てて考えると、
すべては自分の招いた業だという声が聞こえた。

これを人のせいにしては進めない、これを受け入れ償わなければいけないと思った。

数年たった今、私の元にはグラスに入った透き通るようなルビー色の赤ワインと
不恰好に膨らんだクラッカーがある。

越えたのだろか。

許されたのだろうか。

涙が止まらない。

こんな時には、体を浄化するズッキーニを食べるのだ。

イタリア人の私の音楽の先生が、私が泣くと、ズッキーニには精神安定作用と、悪いものを出す力があると
いつも言っていた。

本当かどうか、そんなのどうでもいい、今日は食べたいんだ。

●生ズッキーニサラダと私の懺悔●

・・・・・・・・・・・・・

・ズッキーニ しっかり 洗って。スライス。
・葉っぱ レタスなど
・できたら生のマッシュルーム
・できたら パルメザンなどのハードチーズスライス。今日はLancashireの手作りをもらっていたので、それ。
・オリーブオイル 適量
・塩、こしょう

・・・・・・・・・・・・・・

1.マッシュルーム、ズッキーニはスライス、野菜は適当にちぎっておく。
2.シュレッダーしたチーズを野菜の上に盛り付け、上質のオリーブオイルと
岩塩、ひきたての黒こしょうをかけたらおしまい。

DSC05765.jpg

ドレッシングを食べなくなって、どのくらいたつだろうか。そもそも私は、何がはいっているか分からないものが嫌いだ。あいまいにすべてのよい面も、悪い面もはぐらかしたかのようなドレッシングが嫌いだ。

上質で、心のこもったオリーブオイルには、友人と見たクロアチアの島々、イタリアの大地、ギリシャ、スペインの香りがする。フランスからいつも買う岩塩には、海の香りが付きまとう。

これが私の、最上だと思う。

美味しいドレッシングは自分で作りたい。たまねぎを摩り下ろし、自分で作るそのものは
サラダの脇役にはしたくない。

買ったものを楽にかけるその行為が私には向いていないと思う。

ここまで書いて、ゴードンを見た。

「Mちゃん、(なになにブランド)のドレッシングが食べたいな、久しぶりに食べたいデス・・・。」

は。


ここでもまた、学んでしまった。

人の好みは、それだけで美しく尊重するもので、私がふけって「上質のオリーブオイルは」などと
演説しなくても、彼のお父さんがドレッシングを好きなら、それでよかったのだ。
もとい、彼のお父さんは孤児院で育っているので、ドレッシングなどはものすごい高嶺の花であった。
そのお父さんがサラダを食べる際に、ゴードンにきらきらした目で「おいしいぞ!」と差し出したのが
そのブランドのドレッシングだったのである。

マヨネーズをたっぷりかける、しょうゆだけで、塩だけで食べる、それも美しい思い出なのだ。
人の趣向を汚す、おごったように「それは違う」などと笑う権利は無い。そんな非人道的なことは許されない。
ねこまんまが好きだった私の祖父は、運転手つきの銀行のえらいさんであったが、彼はやっぱり
どんなに「このわた」などを進められても、ねこまんまが好きであった。

人間はおごってはいけない、本当にそう思った。一番恥ずかしいのは私である。

「いいよ。」私にそういわれたゴードンは、一番安い、庶民的ブランドのドレッシングをうきうきしながら抱えて戻ってきた。それをズッキーニのサラダにかけたら、なんとも美味しかった。

人の笑顔を見るのに屁理屈はいらない。そう勉強した一日であった。

DSC05766.jpg






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コメント
No title
こんばんは、

甘くないビスケットにワイン、最高ですね
カッコイイ上に優しいご主人、優しい人は優しい人のところにしか来ないです
恥ずかしさに頭を垂れても、ご主人の笑顔があるからまた顔を上げて、一緒に美味しいものをいただける、本当に素敵なご夫婦だなぁと思いました

ズッキーニを生で食べるのを初めて知りました!無知~・・
マッシュルームと合いそうですね
今日本は気温が上がったり下がったりのジグザグ気候で野菜が2倍くらい高騰しちゃってます
特に葉もの! 値段が落ち着いたらガッツリ食うぞー!ヽ(´∀`)ノ
No title
こんにちは~。
てつおさんは沢山こだわりがあり、すばらしいです。
私と彼はヴィーガン、ローフードを実践しているのでmog&てつおさんたちにぜひお届けしたいです。
問題や不安はすべて自分の内側から出ていたということは私も本当に納得できます。
自己とは何か、というのは一生の誰もが避けることのできないテーマだと思います。
富士山…
ちなみにモーリスも東京と、京都に行くのに
「富士山に登りたい」しかも「夜の富士山」とわけのわからんことを言ってました汗
ゴードンさんと息が合うかも笑
ただ、そんな変な訓練はしてませんが爆笑
お薬、少しでもお役に立てて嬉しいデス。
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Re: No title
ぐーやまさん、優しく温かなコメントをありがとうございます。
やさしい人はやさしい人のところにしか来ない、なんだかまた少し涙が出てしまいました。

私の友人たちもみんな、とても優しいです。本当にやさしい。
私は恵まれていますね!

ズッキーニは生で食べると、とってもおいしいですよ。苦味が少しだけあるので、薄くスライスをして、オリーブオイルで食べるとおいしいです:)
Re: No title
ルルさん、コメントをありがとうございました!

お食事にも徹底的にこだわりをもたれていて素敵ですね。

私はまったく、適当です。笑

感謝していただくということ以外に、あまり決めていないかも。

勉強しないとだめですね!
Re: 富士山…
RISAさん、モーリスさんとみんなで山登りましょう!私ももうあきらめました、笑。
なんせすごい方向音痴なので、ほうっておいたらそのまま他県とかまで歩いて行っちゃいそうで怖いです。

専門医の予約がまったく進まないので、お薬にはお世話になっています:)

富士山って危険
樹海には極悪忍者がいっぱいいるって言えばどう?
てつおさん、富士山断念するかも。

ズッキーニってでっかいきゅうり?おいしそうですね。

人間ってこんなに深く愛しあっていても不安になることもあるんですね。僕なんか付き合ったことないから、孤独で不安になることならあるけど。

モグさんの日記を読んで、僕も彼女ほしいなあってつくづく思いました。なんかさ、喧嘩しててもじゃれあってるみたい。
Re: 富士山って危険
涼一さん、その案いいですね!もらった!忍者がいるって言っておこうかな。

私は「愛」が何なのかわからなくなって、凄く苦しんだことがありました。結論から言えば、今でも全くわかりません。わからないので尊くてありがたいんですよね。無条件で何も見返りも求めずその人を大切に思う気持ちかな、と勘違いしていたときもありましたが、今は、彼が幸せだったら何でもありだなと思える気持ちなのかなと解釈しています。

ゴードンも彼女ができたのはとても大人になってからでしたよ!
きっと、そういうことを大切に思う人ほど、真剣でよい出会いに恵まれるから、
ゆっくり訪れるんじゃないかな:)
ちょっと泣けました
トシのせいかな・・・。
ああ、もう自分を責めないでくださいね。
別離は多分どちらにも原因があるのです。いかなる場合でも。
ちなみにうちの旦那もバツイチです。
私は初婚ですが、実質的にいくつかバツが付いているようなものです(笑)。

mogさんがにこにこ幸せに生きること、
ゴードンさんを笑顔にしてあげることこそが
きっと本当の償いと言うか、浄化ですよ。
シンプルにそれでいいのだと思います。

↑の涼一さんって・・・もしや私のBlogにも来ている美姫ちゃんファンの涼一さんかな・・・。
Re: ちょっと泣けました
jyakurinさん

コメントをいただいて、私もはっと泣けてしまいました。
私がゴードンとしっかりやっていくことが浄化なんですね、ちっとも気づきませんでした。

確かに私がうじうじしていては、彼に失礼だし、彼には何の落ち度もないのに
巻き込まれてはいけないです。

はっと気づきました、やさしく染み渡るようなお言葉をありがとうございます。

涼一さん、多分、同じ方だと思います:)ね!
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